レポート第6回【ヘッドホンアンプ MBK-6P1 応用のヒント

 
◎応用のヒント 
 大きな出力を望まなければ一般的なオペアンプを用いることができます。
 表1は各オペアンプに載せ替えた時のひずみ率の実測値です。ひずみ率が 1%、3%になった時の出力を測定しています。
AD8397以外はひずみ率 3%で波形がクリップします。これはオペアンプの出力がフルスイングしない為です。
 NJM4556ADなどの汎用オペアンプはヘッドホンのような重い負荷をドライブする用途ではありませんから、得られる出力レベルが小さいのは仕方ありません。
 実際に音楽ソースで聴いてみるとヘッドホンによって大きさの感覚が異なります。NJM4558を用いてもインナーイヤーヘッドホンの場合、十分な音量です。オーバーヘッド型では少し物足りなく感じられ、音量ボリューム最大ではひずみが出ます。AD8397以外では NJM4556ADなどはひずみに対して余裕がありますので、大きな音量で聴きたい場合にお勧めします。
 音に関しては個人差がありますのでここでは表現しません。色々なオペアンプに差し替えて聴いてください。


 オーバーヘッド型ではノイズはかすかに感じられるレベルなのですが、私が用いているインナーイヤー
ヘッドホン(インピーダンス 16Ω)ではノイズが感じられました。
 このような場合、図 11 のようにVR2、VR3 にコンデンサを追加するとかなりの改善効果があります。インナーイヤーをお使いの方にこの方法をお勧めします。

 マイクロフォニック・ノイズに関しては今回のゴム足による方法では効果がありません。机の上に置いて振動を与えなければ問題ありません。持ち歩いて使うような場合、振動対策を工夫してください。
 このヘッドホンアンプは必要最小限の構成としました。改造、改善の余地がありますので、この基板をベースとして活用してください。
 

 

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