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チップ型NTCサーミスタで電子機器内部の発熱を監視する
電子機器内部の発熱リスクと対策

近年、電子機器の小型化・高機能化に伴い、機器内部の発熱が大きな問題となっています。
特に、スマートフォンやタブレットなどの機器は、
 ・高機能化に伴い、発熱量が増加
 ・発熱源が複数箇所ある
 ・排熱のためのファンを持たない
 ・内部で発生した熱を筐体の表面を介して外部に熱を逃がすしかないが、筐体の表面積は大きく出来ない
といった問題を抱えています。

この問題を解決するために実際の電子機器では、電子機器内部の複数の箇所の温度をモニタリングし、状況に応じて発熱源となっている部品のパフォーマンスを制御する、ということを行っています。たとえば、プロセッサの負荷が大きいアプリを実行した場合は、温度が低いうちはフルパワーでアプリを実行しますが、プロセッサの温度が高くなってくると、パフォーマンスを落として閾値温度以下で動作するように制御します。さらに発熱が続いて危険な場合は、システムを強制終了するといったことも行います。このとき、プロセッサに給電する電源部の発熱が大きくそのあおり熱を受けているような状態であれば、プロセッサの温度が急激に上昇してしまうかもしれません。単にプロセッサの温度をモニタリングするだけでは、不十分であり、プロセッサ周りや電源IC周りの温度も考慮し、それぞれのパフォーマンスをさらにこまかく制御する必要があるのです。

このように、電子機器内部の複数箇所の温度をモニタリングすることで、電子機器全体の発熱制御をしています。

電子機器内部のモニタリングに最適なNTCサーミスタ

各部位の温度をモニタリングするのに最適な温度センサが、チップ型NTCサーミスタです。以下でその理由を見ていきます。

村田製作所のチップ型NTCサーミスタは、0603(0.6mm×0.3mm)、1608(1.6mm×0.8mm)など、EIA準拠の規格化されたサイズでラインナップされています。同じ規格のチップ抵抗やチップコンデンサのように、面実装用のランドさえあれば容易に実装できるので、配置の自由度が高いといった利点があります。

図1.チップ型サーミスタ

 また、以下にサーミスタを用いた温度検知回路例を示します。サーミスタと抵抗を直列に接続し、定電圧を印加し、このときの分圧電位をマイコンなどに内蔵されているADCに入力し、AD値を取得することで温度が検出できます。分圧抵抗(R)の値を適宜選ぶことで良い温度範囲で大きな分圧電位の変化が得られます。このような単純な回路で温度検出が出来ることも、サーミスタが選ばれる大きな理由の1つです。

図2.サーミスタによる温度検出回路の例

さらに、コスト面や大きさについても、他の温度センサと比べて、現時点で、コストメリットがあったり小型であったりするだけでなく、将来に渡って、さらなるコストダウンや小型化が期待できると言われています。 

このように、配置の自由度が高い、小型、安価、シンプルな回路で動作する、といった点から、電子機器内部の発熱監視の用途でサーミスタが選ばれています。

チップ型NTCサーミスタ利用例①

チップ型NTCサーミスタ利用例②

チップ型NTCサーミスタ利用例③

チップ型NTCサーミスタ利用例

村田製作所のサーミスタ

NCPシリーズ
温度の上昇により電気抵抗値が減少します。 高精度で熱応答性が優れています。 経時変化が少なく安定しています。

用途
●トランジスタ,IC,水晶発振器の温度補償
●各種回路の温度補償
●二次電池の温度検知

主な仕様
●サイズ:(NCP03)0603, (NCP15)1005, (NCP18)1608, (NCP21)2012
●抵抗値:1k,1.5k,4.7k,10k,33k,68k,100k,
150k,220kΩ
●公称B定数:(XH)3350-3399K,(XM)3500-3549K,(XQ)3650-3699K,(XV)3900-3949K,(XW)3950-3999K,(WB)4050-4099K,(WD)4150-4199K,(WF)4250-4299K,(WL)4450-4499K,(WM)4500-4549K

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NXFシリーズ (フレキシブルリードタイプ)
温度の上昇により電気抵抗値が減少します。
業界最小クラスのセンサヘッドにより小型/高速応答性を実現しました。
リードはフレキシブル性を有し、25〜150mmの長さに対応しています。

用途
●各種回路の温度補償
●二次電池の温度検知

主な仕様
●抵抗値:10k,47k,100kΩ
●公称B定数:(XH)3350-3399K,(XV)3900-3949K,(WB)4050-4099K,(WF)4250-4299K

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NXRシリーズ(リードタイプ)
温度の上昇により電気抵抗値が減少します。
高感度・高精度な温度検知が可能です。
リードは自立性を有し、曲げ加工などに対応しています。

用途
●各種回路の温度補償
●二次電池の温度検知

主な仕様
●抵抗値:2k,5k,10k,33k,47k,100kΩ
●公称B定数:(XH)3350-3399K,(XM)3500-3549K,(XV)3900-3949K,(WF)4250-4299K

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