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村田製作所の慣性力センサ、ジャイロセンサ+3軸加速度センサ一体型 SCC2000シリーズ、SCC1300シリーズをご紹介します。


村田製作所のジャイロセンサ+3軸加速度センサ一体型

 最近のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)の盛り上がりにより、センサへの注目が高まっています。センサは、様々な物理量を検出して電気信号で取り出す役目をしますが、その中でも動きを検出するセンサを加速度センサやジャイロセンサと呼んでいます。

 加速度センサは、モーションセンサと呼ばれることもあります。3軸加速度センサは、1方向のみの動きだけでなく、x/y/z方向の立体的な動きを検出することができます。加速度センサを実現する方法にはいろいろありますが、製造コストの削減やサイズを小型化するために、最近はMEMSによる静電容量式センサが主流です。動作原理は、MEMSで可動電極と固定電極を作り、可動電極が動くことによって生ずる容量の変化を検出します。

 加速度センサは動きを検出できますが、回転は検出できません。ジャイロセンサは回転を検出できるセンサです。ジャイロセンサは、ジャイロスコープと呼ばれることもあります。ジャイロセンサの動作原理は、可動電極を1方向に振動させておき、ここに回転が加わると振動方向と90°の方向にコリオリの力が働きます。これにより容量の変化が生じ、これを検出します。そして、可動電極の振動位相とコリオリの力による信号を同期検波すると、角速度を求めることができます。コリオリの力とは、フランスの物理学者コリオリが発見した物理量で、回転する座標系に発生する慣性力です。

図1.SCC1300シリーズ(ジャイロ:X軸)とSCC2000シリーズ(ジャイロ:X軸orZ軸)

 ムラタの産業機器用ジャイロセンサは、あらゆる分野の製品に、極めて低コストでジャイロセンサの搭載を可能にします。シリコンジェルで保護されたステンレスのデュアルインラインパッケージ(DIL)になっています。また、コンシューマー用ジャイロセンサは、ウエハレベルパッケージングによる極めて微小なサイズの製品です。特許技術である簡易低電流消費位相変位読み出し回路と、ウエハレベルの直角位相信号回路により、長期間にわたる優れた安定性を実現します。

アプリケーションの例

 近年、農業機械の自動運転技術が注目されており、その位置精度はセンチメートル単位です。

 トラクターの位置検出にはGPSを用いますが、実際には、GPSで導出した位置情報の誤差を補正する必要があります。GPSによって検出される位置データは実際のアンテナ位置(通常屋根の中心にある)を正確に示しているため、地形の変化によりトラクターが傾くとGPSデータと実際の位置にずれが生じてしまうという根本的な問題があるためです(図2)。

 そこで、地形によるトラクターの傾きを検知するため、加速度計とジャイロセンサが用いられます。加速度計は、地球の中心に対する傾斜角を測定するために用いられ、ジャイロセンサは角度が変化する速度を測定するために使われます。これらのセンサで取得した情報を使ってGPSデータを補正することで、現実的なトラクターの位置をセンチメートル単位で検知することが可能になります。

 村田製作所のMEMSジャイロセンサ、加速度センサには、ノイズや機械的ショックに対する安定性が備わっています。平坦ではない地形で重い機械を動作させるような、厳しい環境下でのアプリケーションを得意としています。

図2.MEMSジャイロセンサ+加速度センサで地形によるトラクターの傾きを検知し、GPSデータを補正する。

  • SCC2000シリーズの利用例①

        • SCC2000シリーズの利用例②

          • SCC2000シリーズの利用例③

ジャイロセンサ+3軸加速度センサ 一体型

SCC2000シリーズ

 SCC2000シリーズは、厳しい環境条件で高安定性が求められる用途に適しています。ラインナップにz軸ジャイロセンサが加わったことで、3つの検知軸方向すべてで加速度、角速度を検出可能な製品プラットフォームになりました。  用途は、条件の厳しい環境下での慣性計測ユニット(IMU)、プラットフォームの安定化と制御、機械制御システム、横滑り防止装置(ESC)、ヒルスタートアシスト(HSA)、ロールオーバー検出、ナビゲーションシステムなどに最適です。

SCC2130-D08の主な仕様
●出力方式:SPI
●電源電圧:3.3V〜3.6V
●測定軸:3軸加速度、1軸ジャイロ(x方向)
●検出範囲:±6g(加速度)、125°/s(ジャイロ)
●感度:1962LSB/gまたは0.029°/s(加速度)、50LSB/(°/s)(ジャイロ)
●オフセット温度特性:±18mg(加速度)、±0.8dps(ジャイロ)
●帯域幅:10/60Hz(加速度)、10/60Hz(ジャイロ)
●自己診断機能、ローパスフィルタ
●動作温度範囲:−40℃〜+125℃
●寸法:12.1×15.0×4.35mm
●重量:1.17g
●AEC-Q100規格に適合、ISO26262規格に準拠
●RoHS準拠、鉛フリー

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SCC2230-D08の主な仕様
●出力方式:SPI
●電源電圧:3.3V〜3.6V
●測定軸:3軸加速度、1軸ジャイロ(z方向)
●検出範囲:±6g(加速度)、125°/s(ジャイロ)
●感度:1962LSB/gまたは0.029°/s(加速度)、50LSB/(°/s)(ジャイロ)
●オフセット温度特性:±18mg(加速度)、±0.8dps(ジャイロ)
●帯域幅:10/60Hz(加速度)、10/60Hz(ジャイロ)
●自己診断機能、ローパスフィルタ
●動作温度範囲:−40℃〜+125℃
●寸法:12.1×15.0×4.35mm
●重量:1.17g
●AEC-Q100規格に適合、ISO26262規格に準拠


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SCC2230-E02の主な仕様
●出力方式:SPI
●電源電圧:3.3V〜3.6V
●測定軸:3軸加速度、1軸ジャイロ(z方向)
●検出範囲:±2g(加速度)、125°/s(ジャイロ)
●感度:5886LSB/gまたは0.010°/s(加速度)、50LSB/(°/s)(ジャイロ)
●オフセット温度特性:±10mg(加速度)、±0.8dps(ジャイロ)
●帯域幅:10/60Hz(加速度)、10/60Hz(ジャイロ)
●自己診断機能、ローパスフィルタ
●動作温度範囲:−40℃〜+125℃
●寸法:12.1×15.0×4.35mm
●重量:1.17g
●AEC-Q100規格に適合、ISO26262規格に準拠
●RoHS準拠、鉛フリー

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SCC1300シリーズ

 SCC1300シリーズは、高性能ジャイロセンサと加速度センサを組み合わせた電子部品で、角速度と加速度の検出機能と、フレキシブルな別個のデジタルSPIインターフェースを統合しています。優れた耐衝撃性と耐振動性を持ち、長時間、広い温度範囲での安定したバイアス特性を示します。小型で丈夫なパッケージは信頼性の高い動作を保証し、ハウジングはSMDの取り付けに適しています。

 用途は、要求の厳しい環境用の慣性測定ユニット(IMU)、プラットフォームの安定化と制御、動作解析と制御、ロールオーバー検出、ロボット制御システム、ガイダンスシステム、ナビゲーションシステムなどに最適です。

SCC1300-D02の主な仕様
●出力方式:SPI
●電源電圧:3.3V、5V
●軸:3軸加速度、1軸ジャイロ(x方向)
●検出範囲:±2g(加速度)、100°/s(ジャイロ)
●感度:1800count/g(加速度)、50count/°/s(ジャイロ)
●オフセット温度特性:±18mg(加速度)、±0.6dps(ジャイロ)
●帯域幅:30〜55Hz(加速度)、50Hz(ジャイロ)
●自己診断機能
●動作温度範囲:−40℃〜+125℃
●寸法: 12.1×19.71×4.6mm
●重量:1.17gv
●RoHS準拠、鉛フリー

SCC1300-D04の主な仕様
●出力方式:SPI
●電源電圧:3.3V、5V
●測定軸:3軸加速度、1軸ジャイロ(x方向)
●検出範囲:±6g(加速度)、300°/s(ジャイロ)
●感度:650count/g(加速度)、18count/°/s(ジャイロ)
●オフセット温度特性:±40mg(加速度)、±0.9dps(ジャイロ)
●帯域幅:30〜55Hz(加速度)、50Hz(ジャイロ)
●自己診断機能
●動作温度範囲:−40℃〜+125℃
●寸法:12.1×19.71×4.6mm
●重量:1.17g
●RoHS準拠、鉛フリー

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